2009年 07月 11日
はじめまして《しかし、どういうものであれ、「1位」をとることはすばらしいと思う。》
マラソンでたとえてみると、今、1位と2位が互いにゴールを目指して走
っている。
2位走者は1位走者がペースメイカーになっているので、さほど難では
ないだろう。しかし1位走者を追う立場で走るわけだから、自分のペース
でないのが大変である。
一方、1位走者はエネルギーの配分、勝負どころの見極めそしてなん
と言っても、前方には景色しかないことで孤独を感じ、そして後方を意識
する焦燥感をも味わうのである。非常に過酷な、筋書きのないドラマの
主人公を演じているわけである。
このように1位を維持することは、非常に難儀なことであり、達成すれ
ばそれゆえ世間から評価を受けることになる。
それでは、レース中で1位走者を追い越した2位走者の脳裏には何が
浮かぶか?
追い抜いた瞬間!今まで目標としていたものは消失し、視界がわっと
広がる。その影響で多少なりとも不安感を抱き、先ほどの1位走者がや
ってきたことを、当たり前のようにやらなければならないことになる。
このように考えると、ビール業界でのキリンとアサヒの話を思い出す。
◆アサヒは「絶対的1位のキリン」を抜くために考えた。10年後?にビー
ルを飲む世代の味覚を調査研究し、彼らの好みそうな味を開発した。そ
して「スーパードライ」が誕生し、1位の走者になった有名な話である。
(現在の順位は定かではないが。)◆
何もマラソンの1位走者にこだわらず、「目標を達成する」ということで
あれば、この筋書きのないマラソンの話には、ビジネスや学習などどう
いう状況にもあてはまると思う。
目標を達成するために、人あるいは企業は、もがきにもがき続ける。
そして達成するといずれ不安定になる。それは、目標が消失し、経験したことがない立場や地位を維持することだけを考えるからである。
夢や希望が叶うこと、あるいは目標を達成することは、簡単ではない。
それゆえ「夢・希望・目標」と人は言うのかもしれない。だからこそ、人は
叶うように、達成するように努力する。しかし、その後のことはあまり論じ
ようとしない。
叶えて達成してもその後をどうやっていくか。これもまた非常に大切なことではなかろうか。
結局、人生はマラソンのようなものであるが、ゴールが無いことは、い
ささか残酷ではないだろうか。笑ったり泣いたり。追い抜いたり、追い越
されたり。あるいは目標を達成したり、しなかったりで。
人生は、まさに「無常そのもの」であり、安定など無いのである。
だから、人生は全力疾走!けっして気を抜いてはいけないのである。 しかし私は、もしかしたら、
この「無常そのもの」を
今年は特に感じている人間の1人なのかもしれない。
以上