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《 徒然ダイアリー 》⑦ ~ 一本とられた!~

 教場では、「何でも1番になることはすごい!だから、みんなも何でもいいから1番になってごらん。」と、わたしはいつも子どもたちに声を大にして言う。

わたしの家庭でも同じである。
「いいかい!何でもいいから1番になってごらんよ。」「人に負けることは悔しくないかい。」などと、子どもにけしかける。
 *嗾ける(けしかける):うまい言葉を使って、相手にやる気を起こすように仕向ける

昨年の子どもたちの運動会当日、家族全員で朝食をとっていたときのことである。

我が家には3人の子どもたちがいるわけで -小5の兄、小3の弟、小1の娘- のしくみ!になっている。

「お父さんは、みんな、かけっこで1番になってほしいなあ!と思っているんだけど。1番の人には、なんかご褒美をあげようかな~。おこづかいをあげてもいいなあ!それともマックに行って、何でもありの食べ放題なんかどうだろう?」(全員マック大好物) 

まず小5の兄が開口一番に
「よっし!1番になってやるぞ。絶対に!それでお父さん、おこづかいは、いくらくれるの?」 
「そうだなあ、考えておくよ。楽しみにな。」

すると娘が
「おと~さん、わたしと一緒に走る人数は少ないけどそれでもいいの?」 
「まあ、いいよ。1番になるんなら。」

と、会話がものすごくはずみ、よっし!その意気込みがあれば、ビデオも良い力走が撮れるぞと思っていた。が、弟が何も発言しなかったので、それとなく聞いてみた。

「かけっこで1番になったら、どんなご褒美がいい?」と聞くと、弟が

「お父さん、ぼく一生懸命に走るからそれでだめ?」

家族全員、シ~ンとなった。

《 徒然ダイアリー 》⑦ ~ 一本とられた!~_e0177961_04289.jpg

まいったな、父親としてさっきまで話した会話をすべて消去したいくらい恥ずかしい気持ちになってしまった。つまりその、わが子から一本とられてしまったわけだ。
わたしは「過程」という詩までつくり、「結果よりも過程が大切」と力説した者が、自分の子どもに悟られたわけだ。妻もたしか、苦笑いで下を向いていた。
彼の一言で、あとの2人も、「そうだ!そうだ!」と納得していたようだ。

そのあとは5月のさわやかな晴天の下で、両手をちぐはぐに振りながら、ビデオを持つ父親に向かって一生懸命に走っていた。

順位は?と気になる方がいるかもしれないが、だから順位は気にしてはいけないわけである。ご褒美は?まあベストをつくしたようだから、マックとおこづかいをあげた(はめになった)。      

P.S  2・2・1                      
by akashi-asunaro | 2010-01-16 00:35