《 一枚のカード 》

 常日頃から、「合格させることや成績を上げさせることは、非常に難しい。」と感じています。ですから、生徒一人ひとりの目標が達成したときは、非常にうれしいですし、それと同時にその子たちの成長も感じとることが出来ます。

 しかし、それが我々の仕事のすべてでしょうか?

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 今回は、ある女子生徒に指導し続けてきた話をします。

 この子は、中学3年の夏からの入塾でした。すごくまじめに勉強する生徒ですが、なかなか成績が上がらないタイプの子。しかし、質問はきちんとしてくれますし、どちらかと言えば、他の生徒よりも学習量は多かったと記憶しています。

 兄弟は上に2人いて、京都大と九大へ入学しているエリート家族。

 しかしこの女子生徒は、兄弟たちの学歴は気にせず、彼女なりに振舞いながら受験生活を送っている明るい子でした。

 この頃(4年前)のあすなろは、わたしが意地になって日曜日もずっとOPENしていましたので、とことん指導していました。だから、生徒たちもかなり鍛えれらていたと記憶しています。

 しかし、残念ながら、公立高校の入試の結果は不合格でした。
 
 だから、かえって「塾長!じゅくちょうー!」って、いつも明るく質問していた声が、とても大きく聞こえて、かなり落ち込みました。

 お母様が、結果報告に来塾され、お礼の言葉を頂きましたが、その際に

 「あの子を合格させてあげたかった、、、。」と、その場で涙を流されました。
 その時は、わたしももらい泣きをしてしまいました。
 
 こういうときはいつも、自分たちの「微力さ」と「指導に対する反省」というような気持ちが、何度も何度も押し寄せては、その年の合格実績を侵食していき、恥ずかしいことですが、自信喪失に陥ってしまいます。
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 それから2年が経過しました。

 その間に、あの明るい「塾長!じゅくちょう!」という声を何度かこの塾で聞くことができ、その都度、安心していました。

 そうです。彼女は、とある私立高校の特進で猛勉強をしながら、時々塾に顔を出してくれたわけです。

 彼女が高3に進級し、再度このあすなろで学習することになりました。
 母親も了解してくれたみたいで、これだけでも非常にありがたいことだと感謝しました。

 もちろん私の胸の中では、あのときのことはけっして忘れてはいなく、「絶対に合格!」という言葉しか残っていませんでした。

 志望校は、関東地方の国公立大学と私立大学。

 特に、国公立大学はどちらかと言えば難関。そして私立大学は、学力奨学生を兼ねた入試で、これまた難。

 とにかく、「毎日、来い!」と言って学習させました。
 
 やはり、よ~く、学習しました。しっかり、がんばりました。

 やっぱ、あの「塾長!じゅくちょう!」が、何度も炸裂!

 学習の合い間には、学校生活や盗撮されたこと、そして音楽や映画など多岐にわたって、たくさん話しました。

 
 そして、そして気になる結果なんですが、

 
 

 大学入試の国公立大学は、情けないですが合格させることができませんでした。



 「なんしようとや!」と言われても、返す言葉がありません。

 
 やはり、「微力さ」と「指導に対する反省」の波が、私の胸に何度も何度も押し寄せました。
 少しレベルが高すぎたと言えばそうなんですが、それは言い訳にしか過ぎません。

 また落ち込み、「この子には、どうしても第1志望に合格させることができんやった!」と落胆してしまいました。

 

 私立大学は、特待制度は不合格でしたが、なんとか一般で合格してくれました。

 

 彼女は、私立大学に合格したことにすごく喜んでくれましたが、私自身の思いは、国公立大絶対合格!を切望していましたので、かなりへこみました。


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 彼女が関東の大学へ入学する前に、塾に挨拶をしに来てくれました。

 
 彼女なりの挨拶の仕方。
 それは、4年間あすなろでお世話になったということで、

 きちんとした服装で菓子箱を持って来てくることでした。
 
 
 「どうしたん、今日は?」

 「うん、わたし、もうすぐ関東へ行くけん、あいさつに来たと!それで、今日は服装がちがうやろ?」

 「そうやね!なんで?」

 「だって、お世話になったから、当たり前やろ!」

 「そうやな!」

 「塾長!今までありがとう。」

 「うんん、、、。」

 「それじゃ、塾長! またね。ひまなときは電話するけん!」

 「おい、きちんと食べるんだぞ。今度は大学でがんばれ!おまえは明るい子やから大丈夫!」

 「うん、わかった。がんばる。」

 
 そして、彼女は上京しました。そのときの彼女は、晴々としたさわやかな顔がとても印象的でした。

 
 その数日後に、彼女の母親が来塾してくださり、ドライフラワーをいただきました。

 
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 いや~、恐縮で恐縮で、本当にありがたいと感じました。

 正直、「大したことも彼女にしてやれずに」と心残りがしたと同時に、
 
 「何度も合格させきらんで、どんだけの塾や!」と猛省もしてしまいました。

 
 それから、数日経って、

 うちの渡部先生が、「塾長!彼女のお菓子箱にこんなのが入っていました。」

 
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 「お~!カードじゃないか。いい子やな~、あの子は。」

 
 「いや!塾長、うらを見てください。」
 

 
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 いや~、参りました。

 ちょっと、胸とまぶたが異常に熱くなってしまって、、、。



 このカードは、わたしやこのあすなろにとって、とても大切なものになりました。

 

 合格させることは、当たりまえのことなのですが、

 親身なそして熱意のある指導は、必ず合格!と、つながらないこともあります。が、それでも

        生徒たちには「通じている」。

 
 これは、そんなことを教えてくれたカードでした。

 
 ですから、このカードからパワーをもらいました。 

 
 そしてまた、我々は、あしたもがんばれます。

    

     ~ 美音さん、ありがとう 

                  あすなろ伸学舎 塾長 赤司 より  ~

                  

    以上

p.s 長文ですいません。先生方、がんばりましょう!

 
 

 
 
 
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Commented by furumichi at 2011-05-13 15:48 x
この仕事だからこそ、与え、あたえられる感謝の気持ちですね。
美音さんであれば、大学でも社会にでても成し遂げられる力があるとおもいます。
今回の素晴らしいお話に、感謝。
Commented by みお at 2011-05-13 17:50 x
塾長、自分が選んで進んだ道に後悔したことはないですよ\(^o^)/
Commented by akashi-asunaro at 2011-05-13 18:30
古道塾長!訪問そしてあたたかい言葉をありがとう。しかし、勢力的にやっているね。誰かに似てきたね。
Commented by akashi-asunaro at 2011-05-13 18:35
お!これはこれは主人公のみおさんじゃありませんか。そうだよな、自分で決めた道だもんな。しっかり、がんばれ。カードは大切に持っていますよ。帰省したら、塾に来いよ。東京バナナは、いらないからな!
Commented by ch-imai at 2011-05-14 00:51 x
涙が出そうないいお話でした。
やっぱり、あすなろは素晴らしい塾ですね!

赤司さんの気持ち、私も痛いほどわかります。
頑張りましょう!ちくしんも負けませんよー!
Commented by スカイ 井上 at 2011-05-15 14:12 x
塾は6年,いやそれ以上かかわる生徒もいるんですよね。
美音さんは塾でいい時間をすごしたのですね。

話はかわりますが,先日はありがとうございました。
6月からブロヨビ始めます。
スカイもいろいろと刺激を受けながら負けないようにがんばります!
Commented by akashi-asunaro at 2011-05-16 16:23
今井塾長!私の気持ちを分かってくれてありがとう。お互い、大切な塾生が来春は、みんな笑ってくれるようにがんばりましょう。
Commented by akashi-asunaro at 2011-05-16 16:25
井上塾長!ご訪問ありがとうございます。私のブログを見てくれているのですね。これまた、ありがたい。「ブロヨビ」を楽しみにしています。
Commented by スカイ Noda at 2011-05-21 17:30 x
スカイのNodaです。はじめて投稿させていただきますかね。

いままでも時々赤司塾長のブログは見させて頂いてたのですが,この記事は遅ればせながら先ほど拝見させて頂きました。

高校受験から大学受験という長い歴史を通じて,とても心温まるお話で,途中からは食い入るように読み進めました。特に最後のカード裏のメッセージは心にジーンときました。

「ひとりでも多くの生徒が,こういうことを感じてくれたら塾講師冥利につきるな~」と思います。(私はまだまだ青二才ですが…^^;)


今後ともご指導のほどよろしくお願い致します。取りあえずは塾長代理として明日研修会に出席させて頂きますので何卒よろしくお願い致します。

Commented by akashi-asunaro at 2011-05-24 17:37
野田先生!ご訪問ありがとうございます。これからも、時間があったら見てください。私も、スカイのブログを見てますよ!
by akashi-asunaro | 2011-05-12 23:41 | 思い出 | Comments(10)